現代の経営エッセンス凝縮!元LINE社長森川亮の『シンプルに考える』 レビュー
元LINE社長の森川亮さんが書かれた『シンプルに考える』を読みました!
読んで思ったのが「現代の経営の本質」がギュッと詰まっているということです。
フリーランスの方も中小企業の社長も読むべき一冊。
読めば日々の振る舞いが変わり、現代にマッチしたビジネスのやり方になると思います。
『シンプルに考える』は今の時代に合った経営を教えてくれる
森川さんは実績も出している方なので、彼のビジネスの考え方に触れられるのはありがたい。サクッと読める本なのに非常に説得力があります。
たった一回読んだだけで僕自身、行動を変える決意を与えてくれました。
お腹が空いた人に、おいしい料理を出す。冬の寒い日に、あたたかい衣類を差し出す。手持ちぶさたな人に、手軽なゲームを提供する。
どんなことでもいい。人々が求めているものを与えることができる人は、どんな時代になっても生きていくことができる。それが、ビジネスのたったひとつの原則だと思うのです。
[p28『シンプルに考える』より]
シンプルだけど腑に落ちる言葉で語り掛けてくれますよ。
最新の経営に必要な3つのこと
『シンプルに考える』を読んでわかった現代の経営に必要なポイントを、僕なりに3つにまとめてみます。
⑴分離思考
この本を読んでいて思ったのが、優秀な人は「物事を分離して考えるのが上手い」のではないか、ということです。優秀な人とは言わずもがな著者である森川さんのことですが、分離できるということは、削ぎ落とすのが上手い=シンプルに考えられるということです。
森川さんはとてもハッキリしています。
社員に嫌われたら社長の仕事は務まりませんが、社長の仕事は社員に好かれることではありません。
[p127より]
だからビジネスに情は持ち込まないと。一見アメリカ式の考え方と思います。
しかし、「ビジネスは戦いではない」とも言っています。西洋ではビジネスによく軍事的な発想を持ち込みますが、森川さんの考えはもっと柔軟な気がします!
- 計画はいらない
- 差別化は狙わない
- 経営は管理ではない
シンプルに考えることで、本質だけを押さえるのです。
⑵目の前の仕事にフォーカス
シンプルに考えて本質だけを押さえると、雑務を極限まで減らすことができます。
マニュアルも情報共有もビジョンもいらない・・・となると、目の前の仕事にひたすら集中すればいいのですねー。
⑶ユーザーファースト
この本に一番多く出てきたフレーズの一つが「ニーズに応える」です。
ビジネスとはお客さんのニーズに応えることであり、イノベーションもニーズに応えることから生まれると。
目の前の仕事にフォーカスするとは、お客さんのニーズを汲み取って反映させていくことだというわけですね。
余計なことを削ぎ落とすから成功する
LINEが誕生したのは東日本大震災の直後だそうです。
震災前からプロジェクトは動いていたものの、明確にLINEというメッセージアプリを作ろうと決めたのは震災の後でした。
つまり、震災の教訓を踏まえてできたのが、誰でも簡単に使えるコミュニケーションツール「LINE」だったということ。
企業体質や考え方がシンプルだからこそ「いま世の中が求めているものは何か?」という純粋な問いから、ヒット商品を作り出せるのだと感じました。
ヒット商品をつくり続ける会社が成長し、ヒット商品をつくることができなくなった会社が滅びる。〈中略〉そのために必要なことだけをやり、不要なことはすべて捨てる。
[p2より]
ビジネスで何かしら迷いを抱えている人に読んでほしい一冊
内容はライトですが、ビジネスや経営のバイブルに成り得るくらい良いことが書かれている本です。
これからの時代は本質的なものや実力のある人がフィーチャーされる傾向が強くなります。
余計なものがなくシンプルだから本質的になるのですし、集中力を途切れさせるような障害物の少ないシンプルな生活だから実力をつけることができるのですよね!
この本で他に良かった点は、
- モチベーションは上げない
- インターネットビジネスの本質的なやり方
- 事務方が不要な理由
- なぜ差別化してはいけないのか?
- イノベーション志向の危険性
です。
まだチェックしていない方はぜひ!