ユーリカ!

コアラが食べてる奴じゃないよ

AIに仕事を奪われることはもう考えないでおこう

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平安(ピンアン)保険という中国の保険会社は、医療や金融系のアプリを通してお客さんと触れる回数を高めています。

保険会社といえば何かトラブルがあった際にお金を出してくれるだけの仕事で、普通なら面倒なお客さんは願い下げだと思っていそうなものです…。

 

それなのにお客さんとの接触頻度を高め、さらに密なコミュニケーションを取るために営業の人を派遣して親身に相談に乗っているそうです。

テクノロジー超大国の中国で、そんなコストのかかることしておかしいんじゃないの?もっとドライなはずじゃない?と感じますが、リアルです。

 

アプリなどで接点を増やすのはたくさんデータを取ってより便利に改善するためですが、人がお客さんと密に関わる体制なのは「信頼づくりのため」です。

お客さん、消費者である僕らはビジネスシーンにおいても、まだまだ生身の人間を相手にしたいと思っているということです。

 

 

リアルな接点は安心につながる

平安保険は、彼らの経済圏や世界観に顧客をオンボードさせるための信頼とインストラクションを、人というリアル接点で行なっているのです。だからこそ、アフターデジタルに対応しながらも、営業員を増やしているわけです。

[p50『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』より]

平く言うと、ファンづくりのために生身の人間を派遣しているってわけですね。

僕たちは人という動物ですから、人の温もりが恋しいのです。(デジタルネイティブな若い世代は親よりもスマホやロボットに親しみを感じるようになってくるかもしれませんがね。)

 

年配の方は特に人とのコミュニケーションがないと不安になるのではないでしょうか。

つまり、あと20〜30年くらいは人が働くスペースは結構あると考えられますね。

 

職業は次々新しく生まれる

最近テレビや雑誌なんかではAIやロボットに職が代替されるという話が頻繁に出ています。

しかし、ちょっと待てよ。

色んなデータがありますが、ものによっては「ある職のAの部分とBの部分だけしか代替されません」ということだったりします。

 

さらには次々と新しい仕事が生まれることも歴史が証明しています。

自動車が登場し馬車は消えましたがバスやタクシーの運転手という仕事ができましたし、電話交換手という職はなくなりましたがインターネット関連の通信業は爆発的に伸びました。

AIがシンギュラリティを迎えるまではまだ時間がありますし、人の活躍する未知のポジションは新しく作られてゆくはずです。

シンギュラリティによってあなたが失うものは何だろう? - ユーリカ!

 

 

例えば、老人ホームに介護ロボットが導入されたとしても介護士の方は解雇されません。その介護ロボットがどこまでの仕事をできるのかが問題ですが、介護士さんが腰を痛めるような介助などの作業を減らしてくれます。

そして、介護士さんは「コミュニケーション・ワーカー」として、ご老人とお喋りしたりご飯を食べさせたりする役目を担います。今よりも無理な作業をしなくて済む介護士さんです!

映画『ターミネーター』のシュワちゃんのようなアンドロイドがコミュニケーション・ワーカーまでもをやり出したらもうおしまいですが、そんな先のことを考えても埒が明きませんよね。

 

これから求められるスキルはこの2つ

テクノロジーは何も人を困らせるために発展するわけではありません。「人がより便利に暮らせるように」というのが本質のはずです。

研究者の中には「テクノロジーはどこまで進化させることができるのだろうか?どこまでも進化させたい…」という興味のままに研究している人もいるでしょうが、それを誰でも使えるように安全で価値のある形で世に出すのが企業や国の役目だと思います。

なので、僕たちの仕事を奪うために発明されるのがAIではありませんね。

 

車を自動で運転できたほうが「楽だし事故も減る」ということで自動運転技術は開発されています。

バスやタクシーの運ちゃんの仕事を消し去りたいとは誰も思っていないのです。

便利なほうを選んだ結果、消えてしまうものがあるというだけです。

車の運転が好きなら趣味でも本業でもいいのでF1ドライバーをやればいいですよね。

 

なので、不可抗力で消えてしまう仕事はやっぱりあるし、従来の働き方は縮小される方向性だと捉えてください。

でも、新しい仕事が生まれてきますし、生活コスト自体はどんどん安くなってく時代です。食うに困ることはありません。

そんな時代において大事なのは、他人から重宝がられる人材に自分がなることではないでしょうか。

重宝されるには以下の2つのスキルを身につけるようにするといいです。

  • コミュニケーション能力
  • 自分のモチベーションをアピールするスキル

これからどの業界でも必須の横断的なスキルです。

 

コミュニケーション能力

対人関係のスキルですね。

  • 人を愛せること
  • 気遣えること
  • フォローできること

みたいなことです。

 

コミュニケーション能力を上げようとしたときに、テクニックから身につけようとする人がいますが、ほぼ意味ないです。

 

例えば、ミラーリングというテクニックがあります。目の前の相手と同じような動きをこちらもすることで安心感を与えるものです。

僕の実際の経験ですが、ある友達とカウンターでお酒を飲みながら語り合っているときに段々同じような姿勢になっていったんですね。そして、グラスを口に運ぶタイミングまで一緒になってた。

 

つまり、勝手にシンクロしました。

お互いに信頼し合っていればミラーリングというテクニックを使わなくても自動的にそうなっていくというわけです。

 

じゃあ、まず何をしたらいいのかというと、こちらが相手を想うことですよね。

そこからがスタート。

ごちゃごちゃテクニックを学ぶよりもまずは自分から人を愛せるように、人にオープンになれるようになることではないでしょうか。

そのために、誰か特定の人について考える頻度を増やしましょう。そして、その人が喜ぶことをしてあげることですよね。

 

自分のモチベーションをアピールするスキル

日本人特有なのかわかりませんが、内に秘めている思いを他者に伝えない人が多い気がします。

空気を読むとか阿吽の呼吸とか、言わなくてもわかるでしょというのは暴論ですよね。

 

言わなくても伝わったときは気持ちがいいですし、言葉に出てこない心情や裏を読み取れる人はすごいなと思います。

でも、原則伝わらないと考えたほうがいいです。

 

なので、言葉と行動で示すことを常日頃やりましょう!

自分はこういう人間で、こういうことをしたがっている人間ですということをアピールします。

すると、周りはあの人○○やりたいって言ってたから仕事回してあげよう、となります。

 

クオリティは最初低いかもしれませんが、技術を高め続ける用意はできていますということも合わせてアピールすれば、情熱を認めてくれる人は多いです。

例えば、コンビニやスーパーが無人化されてレジ業務が消えたとします。そうなればレジのバイトさんは辞めさせられてしまいますよね。

もし、自分はお客さんとコミュニケーションして喜ばせてあげたいんです!というパッションを持っており、それを上司にPRしていたり日頃から実践していたりすると、「買い物コンシェルジュ(お客さんの探している商品を探したりする新しい仕事)」としてウチに残ってもらえない?と言われる可能性が生まれます。

 

技術がなくてもやる気をアピールできていれば仕事は来ます。

技術力はあとからいくらでも上げられますので、やる気があって真剣に取り組んでくれる人の需要って実はあるんじゃないでしょうか。

人柄採用、キャラクター採用みたいな曖昧な話になってきますが、これからは「人で選ぶ」時代ですので。

 

仕事が奪われることはもう考えないでおこう

AIがシンギュラリティを迎え、AI自らビジネスやプログラムの企画・開発を行えるようになったら、人が働く領域は本当にゼロになってしまうかもしれません。

でも、まだ先の話です。

 

テクノロジーは人類のベースアップですから、人が面倒なことをしなくて済むようにしてくれます。

働かなくていいなら、のんびりすればいいですよね。遊びの時代とも言われていますし。

 

そうなったら僕は時間を気にせず、爽やかな草原で風を感じながら読書でもしたいですね。自分で淹れたコーヒーを好きな人に振る舞ってあげてのんびりそこにいたいです。(今すぐにでもできることですけど。)

 

僕らはまだまだ働きます。

お金を稼いだり、仕事=生き甲斐の人はたくさん働きたいですよね。

 

テクノロジーと比較して人が働ける余地や隙間は残されるのかどうかという議論は不毛なのでもうやめにしましょう!

「どうせ全てが無くなるが、今はまだある」
この考えで行きませんか?

だから、やりたいことを選択してやるってことです。

あと、先に紹介した2つのスキルを身につけておけばどの業界でもライトには通用するんじゃないですかね。

 

地球上の全ての仕事が意外と早くに消滅した場合、イーロン・マスクの宇宙船に乗って人類丸ごと火星移住してみんなで宇宙旅行を楽しみましょう。

今日もいい日になりますように。

 

 

 

 

・リアルとデジタルが逆転しオフラインよりもオンラインのほうが接触頻度の高い世界=アフターデジタル
・消費者はリアルもネットも関係なく「今一番便利なところ」で買い物をするのでオンラインとオフラインの垣根はもう消えたと解釈しよう
・重要なのは無人化できること自体ではなく、データを取ってお客さんのためにより良く改善すること

みたいな本。